不登校報道についてのお願い
卒業式・終業式の季節になりました。
不登校、登校拒否で式に出ないことを決めたお子さんもたくさんいます。
新年度・新学期に新しい環境になり、連休から梅雨も敏感な子どもにとって辛い日が続きます。そして夏休み。オリンピック・パラリンピック後、毎年恒例になってしまった不登校に関する報道のピークがやってくると予想されていることについて、当事者である子どもたちは不安な気持ちでいます。
そこで、不登校の子どもを育てる保護者として、お願いがあります。
- 子どもの気持ちに寄り添った報道をお願いします。
- 学校ムリならここあるよ一辺倒の報道はやめて下さい。
- 逆転人生やヒーローばかりを取り上げないでください。
- 学校も居場所も安全で安心できる場所に変えていきましょう。
- 学校の息苦しさ、理不尽を改善することが急務です。
1.子どもの気持ちに寄り添った報道をお願いします。
昨年、報道機関として初めて、子どもの気持ちを丁寧に考える記事が出ました。
記事のデータからもわかるように、学校に行かない子の9割は自宅にいます。
自室から出られない子もたくさいます。
記事内のグラフにあるように、著名人の体験や応援を求める声は全体から見てもごくわずかです。しかしながら、例年テレビや新聞は著名人のエール記事を連載していて、当事者である子どもからは違和感を訴える声が上がっています。
記事を担当した記者の編集後記にあるように、社会が変わること、学校が変わることが子どもたちの願いです。
記者編集後記から引用
◇しんどかったら学校を休んでもよい。でもこのしんどさを我慢できなければ社会で通用しない。「じゃあどうしろって言うんだ!」。取材を通して聞こえたのは、子どもたちの悲痛な叫びです。国は従来の学校復帰を前提とした不登校支援を見直しました。でも子どもたちは、不登校の先にある社会を信用できないでいます。多様性を認め合い、自分らしく生きられる社会をつくる責任は大人にある。その思いを新たにしています。(山根久美子)
◇取材を通して聞こえてきたのは、「社会や学校にある生きづらさの根本を変えてほしい」という声でした。苦しい時間に寄り添うだけでは不十分だと突きつけられたように感じます。「ブラック校則も生きづらさの要因の一つだ」と指摘する識者もいますが、校則を巡る動きは、「生きづらさ」が言語化されたことで社会が動きだした事例だと思います。子どもたちが何に生きづらさを感じているのか、大人は誠実に向き合う必要があると感じます。(金沢ひかり)
2.学校ムリならここあるよ一辺倒の報道はやめて下さい。
昨年、一昨年あたりから特に放送も新聞も
「学校ムリならここ(フリースクール)があるよ」一辺倒の報道が続いています。
不登校原因はとても複雑でひとりひとり違います。繊細な子どもたちへの取材も大変だと思います。しかし、学校以外の居場所に行けない、自宅から出ることが出来ない子が9割超である事実を知って下さい。
フリースクールを選ばない子が9割超である理由を不登校新聞社が分析(高額、数が少ない、スティグマ)していましたが根拠となる具体的な統計データを示していません。
不登校のほとんどがフリースクールに通わない3つの理由 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)
文科省が学校に頼らない調査を実施中ですが新自由主義改革政策に沿ったデータを作り込んでくる可能性は否定できません。
不登校保護者会では、不登校報道へのお願いを昨年も行いました。
詳しくは以下のリンクをご参照下さい。
https://hutoukouh.hatenablog.com/entry/2019/08/01/120302
家庭支援、保護者支援が足りていません。
不登校の子どもには思春期の問題、軽度、グレー域の発達障害の問題を併発するケースも少なくありません。
家庭で難しくなった場合に、行政の家庭支援サービスか児童相談所、自助団体の相談を頼るしかないのが現状です。
不登校保護者会でも毎月1回の茶話会が保護者支援の場となっています。
家庭・保護者支援がまだまだ足りないことや児童相談所保護を頼った場合、保護所で不適切な対応をされ、さらに心に傷を負うケースも続いています。
子育ての困難さが深刻度を増すにつれ、「児童相談所を利用したら?」と方々からご助言いただいたものです。私自身実際に子ども家庭支援センターを介して関わっていただきましたが、やはりいかがなものかと思わざるを得ない点がありました。
— リグーリア2 (@Ligulia1Ligulia) 2020年2月10日
学校・児相の不適切な対応→子どもが傷ついて反抗的になる、不登校、児相を拒否する→親の指導力不足にされる→保護者「学校の先生や児童福祉士の待遇を改善してください」と訴える…おかしくないですか?もう嫌だ。
— リグーリア2 (@Ligulia1Ligulia) 2020年2月10日
精神疾患の休職率 児童福祉司、教員の4倍 毎日新聞調査 - 毎日新聞
児童相談所(児相)を設置する全国70自治体のうち4割強が、虐待に遭うなどした子どもを保護する一時保護所の児童指導員や保育士に対して、子どもの行動観察とその記録方法についての研修を行っていないことが毎日新聞の調査で判明した。国は一時保護所職員の研修の内容や時間数について定めておらず、自治体間で対応にばらつきがあることが浮き彫りになった。
児童一時保護所、4割研修せず 行動観察・記録、国指針なく 70自治体調査 - 毎日新聞
保護所での問題も解決できないままです。
児童相談所:一時保護長期化 2カ月超え287件 横浜市17年度 /神奈川 - 毎日新聞
AIでは解決できるのでしょうか。ひとりひとりの存在を大切に対人間の信頼関係を構築することが大切なのではないでしょうか。
児相にAI 虐待の深刻度など分析 三重で実証実験 全国初 - 毎日新聞
学校を変えることについて考える報道をお願いします
昨年は大々的に学校ムリならここあるよキャンペーンがNHKを中心に行われましたが、元NHK記者で大阪日日新聞論説委員の相澤冬樹記者と西日本新聞社の金澤皓介記者は、
『学校が変わらなければ苦しむ子が増え続ける』という事実に目を向けて報道されました。
多くの不登校報道では、学校の理不尽や息苦しさを改善せずに、学校以外の居場所を民間で設ける民間企業に税金を注ぎ込む教育の新自由主義改革そのままをキャンペーンする報道が続きました。
子どもの夏休み明けの自死は減らないままです。
昨年に引き続き再度のお願いになりますが
夏休み終わりの不登校報道を考えなおして下さい。
一度学校で被害に遭った子どもたちのPTSDは長期間心と体を蝕みつづけます。
回復に数年、十数年かかるケースも少なくありません。
学校は絶対的に安心・安全でなければいけない。
学校の理不尽息苦しさをなくすためにどうしたら良いかを一緒に考えましょう。
危険で苦しい空間のままでは現在22万人超の不登校の子どもはさらに増え続けます。
3.逆転人生、ヒーローばかりを取りあげないでください。
レジリエントな子どもばかりではありません。学校で傷付いた子たちは、まず心の休養が必要です。不登校はひとりひとり全員違います。ありのままのその子の存在が認められることこそが必要なのです。また才能、ギフテッド賛美は、優生思想に繋がります。
昨年の元農水次官による長男殺人裁判において母親による裁判内での証言「才能があれば良かった」は、多くの不登校家庭が重く受け止める言葉でした。才能があろうとなかろうと子どものありのままの存在を認めていくことが希望に繋がります。
4.学校も居場所も安全で安心できる場所に変えていきましょう。
不登校の最大の要因は、学校で子どもの人権が無視されていることです。
落ちこぼれ、不登校の最大の原因は教室の“同質性”にある|文藝春秋digital|note(ノート)
学校が安全ではない
東京都の公立小学校で起きたスクールセクハラから不登校になった子どもがいます。
明らかな痴漢行為を行う教員に刑法が適応されない矛盾があります。
自身が被害にあったり、被害を目撃し不登校になる子どもたちも少なくありません。
子ども同士の被害も多発しています。
公訴時効、性交同意年齢、地位関係を利用した行為の強制、不同意に関する解釈など性暴力に関する問題が学校の中にもあります。
スクールセクハラ裁判
いちご大福さん@masaki_dokkili
いちご大福さんの裁判(次回期日は2月28日11時東京地方裁判所)
石田郁子さんの裁判(次回期日は5月14日東京高等裁判所)
石田郁子さんが受けたスクールセクハラ被害
学校外の居場所も安全が守られていない
2020年2月3日朝日新聞で報道された通り、性暴力が起こりうる環境が改善されたようには見えません。
このような性暴力は子どもが関わるあらゆる場所で起こり得ることであるのに未だに具体的で効果のある対策が示されていません。
東京シューレの性被害の件、朝日新聞の記事によれば、口外禁止になっているのは、裁判の経緯や和解内容ということですね。また、性暴力の事実を認め謝罪しているということです。東京シューレは、いまからでも、口外禁止にあたらない範囲で、きちんと説明すべきだと思います。https://t.co/sxgIXWyiAV
— 山下耕平 (@kohei_bokan) 2020年2月2日
この件でシューレを全否定しようとは思わないけど、この対応にはだいぶがっかりした。https://t.co/61Y0QvjLl4
— 斎藤環 【新刊】『中高年ひきこもり』幻冬舎新書 (@pentaxxx) 2020年2月3日
この問題は居場所、フリースクール、塾、学校、習い事あらゆる場所で起こりうること。
— うたうたいとえかきのはは (@bewizyou1) 2020年2月4日
加害者にならない被害を出さない、子どもの人権を守るために #性教育、指導的立場の人間への #特別権力関係 での #性暴力 に関するガイドラインが必要。私たちは目を背けてはいけないhttps://t.co/B1L8Y9SOAh https://t.co/sOAKb9HSDF
学校でいじめや理不尽な対応で不登校に至るケースも多いのですが、教員からの性暴力で不登校にさせられるケースも問題になっています。
不登校につながるのは学校で子どもの人権が守られていないことが要因であることも指摘されています。
もうすぐ11/20 #世界子どもの日
— セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン (@scjapan) 2019年11月15日
30年前の同日には子どもの権利条約が国連で採択されました。
世界子どもの日を前に #子どもの権利条約 を読んでみませんか。
子どもも大人も読みやすい文章で条文をまとめています->https://t.co/aXps628MWK
(ふりがな付きA4シート、自由にダウンロードや印刷可) pic.twitter.com/dYwi7S77KK
5.学校の息苦しさ、理不尽をなくすことが急務です。
不登校の子どもたちの声を集めました
- 不登校になると来なくていいよと言われ、学校とのつながりを失う。見捨てられたみたいに。(東京都小2男子)
- 同調圧力とか内申のために先生に取り入る行動が耐えられない。同級生が先生に気に入られるために、うらおもてのある人間になっていくのを見るのが辛い。(東京都中3女子)
- とにかくみんなと同じで悪目立ちしないように生きるのに疲れてた。(東京都小学5年男子)
- 学校で勉強する意味を感じない。人間の悪意ばかりが育つような場所だから。(神奈川県小学6年男子)
- 先生がとにかく忙しそう。良い先生がやめていく。怒鳴ったり威嚇する先生が増えてきて尊敬出来ない。(東京都中学1年女子)
- つらい時の記憶がない。だけど給食で嫌な思いをした記憶だけはある。自分の力で就職したことについて、応援してくれた人たちには本当に感謝している。それまでに「行きたかった」という気持ちが保障されたからこそ、「行けなかった、行かなかった」という自分の行動については後悔がないと言える。(長野県大人不登校時代を振り返って)
編集:不登校保護者会事務局 メンバー+幼児からの性教育資料読書会メンバー
文責:不登校保護者会事務局 郡司真子
不登校保護者会(東京)3月茶話会
東京茶話会
いつもお集まり下さいましてありがとうございます。
本日も楽しくお話しができてよかったです。
次回は以下の通りです。
日時:2020年3月27日(金)午後1時半から4時
場所:東京都内京王井の頭線沿線
会費:200円当日現金払い
対象:不登校や不登校傾向の小中高校生の保護者
申し込み方法:
①お名前
②お子さんの学年または年齢
③メールアドレス
④ご要望その他
上記を明記の上
cocorokotoba@gmail.com
もしくは、TwitterDMへ
メール📩下さい。
詳しい場所をお知らせします。
不登校保護者会事務局メンバーも一部参加します。
よろしくお願いします。
☆お願い☆
茶話会で知り合った方に対するビジネス、宗教、スピリチュアル、薬剤、サプリメント、習い事、療育、政治活動などへの勧誘は一切お断りしております。
純粋に不登校の悩みについて話す茶話会です。
医療拒否の我が子を手にかける前に出来ることを考えたい。〜事件を起こさないために〜
*不登校保護者会有志の考えです。
家庭だけで解決しようとせずに、周囲の支援を頼ることが大切。
民間相談機関や居場所事業者のなかには、親が徹底して子どもに寄り添うことのみ説くところもあり、そのようなケースは非常に危険です。
特に思春期のうちに家族支援が出来る児童精神科医、家庭支援センターに繋がることで最悪の事態を回避していくことが出来ます。
不登校保護者会のメンバーの中にも医療拒否の子どもを抱えどうすれば良いか悩む家庭も少なくありません。
今年不登校とは無縁ではない大きな事件と裁判が続きました。練馬の発達障害の40代の息子を70代の父親が刺殺した事件では、問題行動を拗らせているにもかかわらず、適切な医療が受けられず、親が周囲への相談を躊躇し、殺害に至りました。
傍聴したライターの高橋ユキさんは、長男を殺害した被告人について「成人した息子を甲斐甲斐しく世話をし続けながらも、社会に適応できない長男について『才能のなさと、精神疾患が原因である』と判断し、誰にも相談しなかった」姿が印象に残ったといいます。https://t.co/BjHWz9EyaX
— 弁護士ドットコムニュース (@bengo4topics) 2019年12月29日
なかなか相談出来ない、医療機関受診を本人が拒み続けた時、親として出来ることを
不登校保護者会メンバー有志と考えました。
目次
才能があればよかったのか?
「発達障害や知的障害があっても、才能を見出して伸ばしさえすれば」というのは、多くの子どもの親が持つ希望とか憧れになっていますね。実際に、それを実現している親子がいます。中には教育虐待気味だったとの話が聞かれることもあるようですが。
— リグーリア2 (@Ligulia1Ligulia) 2019年12月28日
発達障害に産んで悪かったとか才能が有ればよかったと考える親御さんは、それは優生思想なんだと気付いて欲しい。この裁判はとても重いテーマを突きつける。手に負えない子どもでも殺す以外の方法を家族は考えなければならない。医療サイドの不手際について精神科医の団体は具体的改善を表明すべきだ。
— うたうたいとえかきのはは (@bewizyou1) 2019年12月28日
それと、被害者のありのままを受け入れるとは、被害者に部屋とゲームを与えて定期的に掃除業者を入れ、ゲーム課金に必要な金銭を与え続けることだったのかどうかも、議論の余地があるような気がします。あとは定期的通院や一時的にせよ入院の必要性ですね…。
— リグーリア2 (@Ligulia1Ligulia) 2019年12月28日
好きで楽しめることをサポートするのは大切なことで、子どもがいきていく力にもなりえますが、才能が有ればよかった、何にもないから生きる価値がないと繋げてしまうのは、非常に危ういことですね。また本人を否定しないことは好きなようにお金を使い続けさせることではないhttps://t.co/y1ZLiEwvyc https://t.co/gy6kRmfoL7
— うたうたいとえかきのはは (@bewizyou1) 2019年12月28日
保護者にできることは?
子どもの幼少時は児相によるレスパイトが可能と言われますが、子どもが19歳以降はどうすれば親が一時的にせよ子どもと離れて一息つけるかがわかりません。それ以前の子どもが中高生のうちに適切な指導や医療を開始するほうが良いと思いますが、簡単には児相も動けないのが実情だろうと思います。
— リグーリア2 (@Ligulia1Ligulia) 2019年12月29日
「暴力は嫌だ」と宣言して、親が家を出ることを提案する医療者もいますが、子どもが小中学生だとそれはやりにくいですし(結局児相保護になる?)、親はいつまで知り合い宅やホテルで生活するのだろう、子どもに家を明け渡すのか?と思ってしまいます。
— リグーリア2 (@Ligulia1Ligulia) 2019年12月29日
『母よ!殺すな』と「湯島・金属バット殺人事件」
医療拒否中の拗れた家族を救う方法として、ある精神科病棟で聞いたのが、暴れたタイミングで救急と警察を呼び措置入院か未成年なら児相を呼び保護入院しかないと。そうなる前の支援が日本社会には無く「母よ!殺すな」や湯島事件の時代のまま。変えるために動く医師いる→https://t.co/N7b7y2hnCy https://t.co/HBwWVed0Wx
— うたうたいとえかきのはは (@bewizyou1) 2019年12月28日
↓
— いえろき🦊 (@sunya_koryakuho) 2019年12月29日
思い付きですが、軽い暴力的な #ひきこもり の方を無理やり医療につなげる方法、または家族が逃げる準備としては……行政や福祉に根回ししつつ警察と精神科も交えて多職種で打ち合わせして、合法性を担保できる建前と対応を取り決め、有事の際は警察介入、状況次第で入院も検討、ですかね……#着想
特性がぶつかり合い、一定期間離れていた方が良い関係ってやはり、家族間でもあると思いますよ。
— うたうたいとえかきのはは (@bewizyou1) 2019年12月29日
ASD,ADHDの混在だけでなくいろいろと人間として合う合わないというのが、家族間にもある。 https://t.co/cDcdzcTlrm
措置・保護入院
措置・保護入院になる前に
— うたうたいとえかきのはは (@bewizyou1) 2019年12月29日
どうにかできないか、拗れた思春期や不登校ひきこもりに必要な支援はレスパイトだ。暴力は嫌と行って親だけ逃げろとか子に寄り添えとか毒親と責めることや親子公開討論では解決しなかった。歴史が語ってる。母親よ!殺すな時代、湯島事件から変わらないと悲劇は止められない
悪徳引き出し屋ではなく、
— うたうたいとえかきのはは (@bewizyou1) 2019年12月29日
児童精神科医、精神科医、心理職、精神保護福祉士、児相、警察など当たり前の知識を持つ専門職が連携して行くことが必要なんだよね。
今の政権下では困難なんだろうけど、これは社会として包括的に考えていかないと子どもを手にかける事件や無敵の人による大事件も防げない。
不登校・ひきこもりと医療の関係は
18歳までなら児相による一時保護か入院は選択肢に
「不登校や引きこもりを勝手に医療化するな」という意見はもっともではありますが、家族があまりにも束縛されたり弊害が大きくなるようでは、18歳までなら児相による一時保護か入院は選択肢になると思います。30分程度の診療ではわからない部分が見えてくるからです。
— リグーリア2 (@Ligulia1Ligulia) 2019年12月29日
不登校や引きこもりを医療化するな、徹底的に子に寄り添えとアドバイスした後に親が行き詰まり事件化したのが、湯島金属バット事件でした。
— うたうたいとえかきのはは (@bewizyou1) 2019年12月29日
そのアドバイスした団体は未だに寄り添いのみを是としているのは、湯島の反省ががないからでは。 https://t.co/hbYcuO4djj
>> 医療サイドの不手際について精神科医の団体は具体的改善を表明すべき
— いえろき🦊 (@sunya_koryakuho) 2019年12月28日
……
本邦の“建前上の人権意識や倫理観”に則ると、不手際アリと見做すと矛盾が生じる😥
建前上、
ひきこもり・不登校=精神疾患とは限らない。
不登校=問題行動では無い。
医療保護or措置入院は精神疾患による緊急性が要件。
↓ https://t.co/NJ3Sb5GzsX
SSW@himari_kj から
医療保護入院と措置入院などの違い
医療保護入院
- 入院の必要性があって、家族等の同意が得られる場合
措置入院
- 自傷他害のおそれのある場合で、2人以上の精神保健指定医が診察し入院が必要と判断された場合
入院しても、病院ではできるだけ任意入院(本人の同意のある通常の入院形態)になるように尽力することになっています。
まとめ:家族を手にかける前にできること
- 特性を正しくアセスメントすることが必要
- 親支援、家族支援に理解のある児童精神科医、精神科医への受診
- 行政の家庭支援センター、児童相談所、警察へのいざという時のための保護、措置入院についての相談をしておく
- 家庭だけで解決しようとしない
- 思春期のうちに適切な児童精神科医と繋がっておく必要がある
地域によって公的機関の呼び名が違います
精神保健福祉センター、
市町村の保健師のいる部署(子育て、福祉課、健康推進課など)
福祉事務所、児童相談所…
ちなみに
医療保護入院の場合は、家族等の同意が得られれば、
自治体が必要性を判断し、警察にも協力してもらって連れ出してもらうことも可能
です。(あまりしたくないことですが…命を守るためにはそれが必要なケースもあります)
また、精神保健分野ではACTチーム(地域生活を支える医療を含めた専門家チーム)少しずつですが、いくつかの地域で広がってきています。(SSW@himari_kjより)
また、母子家庭か否かで親への支援の優先順位が変わってくるので、あえて離婚を選択せざるを得ないという家庭もあります。
@AS_Insects 下手に父親に稼ぎがあると、支援対象としての優先順位が下がってしまい、結果、こじれにこじれるまで放置される……一連の事件の背景には、この家父長制の名残りという負の遺産が影を落としているのも遠因なのでは?と考えています。
医療とのつながりもそうですし、みわよしこさんの記事にもあるように、一人ひとりが「社会モデル」として捉えられるかどうかが鍵になるのではないでしょうか。
wezz-y.com
▷これからの課題
まずは、子どもの命を守ること、家庭で共倒れにならないことが大切ですが、
現状、保護された先の安全を守ることも急務。杜撰な精神病棟や行き過ぎたルールで子どもを縛る児相保護施設の問題も改善しなければなりません。
自治体によっては、家庭支援センターや児相の相談スキルレベルが酷すぎるところもあり、改善が必要です。
実際、よい支援を求めて手厚い支援の自治体へ転居する家庭もいます。
追記:12月30日11時
・家父長制と社会モデルについての考察
・民間相談機関について
の2点を加筆修正しました
【書評】『スクールセクハラ』池谷孝司著
この本は、繰り返される教師による性犯罪の実態を、できる限り被害者・加害者双方に取材して書かれたものです。筆者は共同通信の記者であり、内容は2013年に「届かない悲鳴ー学校だから起きたこと」と題して21の地方紙に連載されました。
本書を読んで、「まさか」と信じられない人もいるでしょうし、「自分も似たような経験がある」、「いや、私はもっと酷い目に遭った」という人もいるでしょう。また、「あの時体験したことは、あれは性犯罪だったんだ」と今更ながら気づかされる人もいるでしょうし、中にはすっかり記憶の彼方に押しやって封印していたはずの記憶の扉が開き、フラッシュバックに苦しむ人もいるかもしれません。
学校教師から性的なアプローチを受けたことのない人にとっても、この本を読むことは被害者の悲痛な思いを追体験する辛さを伴うものになると思います。
それでもなお、この本を皆さんに知っていただきたいと思うのは、「こんなことを言われたりされたりしたら、たとえ相手が恩義ある教師であっても、毅然と『嫌です』『やめて下さい』と撥ねつけていいんだ」「もしも被害に遭いそうになったら、大声を上げて誰かを呼ぼう」「不幸にして被害に遭ってしまったら、すぐに信頼できる大人(親や警察)に相談しよう」ということを子どもたちには是非とも知ってもらいたいし、私たち大人はそうならないように気を配り、子どもの様子がおかしいならそれに気付いて話を聞いてやり、決して子どもを責めることなく、警察や性被害の相談機関などに相談して解決に動き出していただきたいからです。
目次
要約
本書に出てくる事例は、セクハラどころか深刻な性犯罪と思われるものもありますが、著者の池谷氏は敢えて「スクールセクハラ」という軽めの表現を用いることにより、被害者が相談しやすくなると考えているそうです。
本書には、NPO法人「スクール・セクシュアル・ハラスメント防止ネットワーク」(SSHP)の亀井明子さんと、その仲間の神奈川大学名誉教授の入江直子さんが重要な知識や考え方を提供しています。SSHPは大阪を本拠地とする、スクールセクハラに専門的に取り組む日本で唯一の団体で、亀井さんは以前は公立中学校の体育教師であり、校内でセクハラに遭った生徒たちを支援したために校内で孤立させられ、悪質な脅迫を受けた経験をお持ちの方です。それほどまでに、学校の現状を変えたくないという組織の圧力は凄まじいものがあるのです。亀井さんは、その事件をきっかけに、中学校教師の職を辞しています。
冒頭、著者である池谷記者は「(スクールセクハラ)事件が個人的資質だけで起きているのではなく、学校教育の体質にその原因があるように思えてならない」「子どもの個性をのばすことや学ぶ権利を第一に考えるのでなく、教師が描く理想の型にはめようとする構図に問題があるのではないだろうか」と問いかけています。
まずは、驚くべきエピソードを引用したいと思います。
かつて、ある教育委員会を取材した時、教師出身の職員は、机に向かう同僚たちを見回しながら小声でこう言った。
「この中に何人、教え子と結婚している人がいると思います?半分くらいはそうですよ。だから、私たちも大きなことは言えません。」
教育委員会の職員はその多くを現場の教師出身者が占めている。そして、一定の期間が終われば、現場に戻っていく。(p.106)
さて、本書にはいくつかの事例が4つの章に分けて詳しく語られています。「M教師」「特別権力関係」「部活動」「二次被害」。被害者や加害者の名前は全て仮名です。
M教師(問題教師を意味する隠語)
[ケースA]被害者:智子さん(事件発生当時高2) 加害者:山本(高校の担任教師)
ケースAの智子さんは、進路指導の二者面談の際に担任教師に誘われ、驚いて断りきれないまま従ってしまい、カラオケ名目でホテルに車で連れ込まれて被害に遭いました。ズルズルと関係が続く過程で、加害教師は定期試験の問題漏洩や有名大学への推薦枠などを餌に、更なる交際続行を画策しました。智子さんの友人も、小学生のときに保健室で性被害を受けたことがあると吐露しています。大人になった智子さんは、池内記者と出会ったことで自分の過去の被害と向き合い、池谷記者の協力を得て加害教師と対決、心の傷を乗り越えようと試みました。
特別権力関係(指導のために付与された特別な権力を持つ教師と児童生徒の関係)
[ケースB]被害者:由美さん(事件発生当時小6) 加害者:鈴木(元担任教師)
ケースBの加害者・鈴木は理系の真面目な小学校教師で25年のキャリアを持つベテラン、妻も教師でした。被害者の由美さんは転校生で、鈴木は半年しか彼女を担任していません。由美さんは母親と姉の3人家族で、友達作りが苦手だったことや、日曜日に暇で寂しかったこともあり、鈴木に特別に好意的な様子を見せ、元々児童たちを連れて休日に出かけることがあった鈴木と2人きりで毎週のように遊園地やボーリングに出かけるようになります。鈴木は管理職試験を何度も受けては落ちていることや、教務主任を任されたこと、妻とのすれ違いなどの状況も手伝って、ハートをあしらった手製弁当や「チュー券」をくれる由美さん(小学生)にのめり込んでいきました。
部活動
[ケースC]被害者:早苗さん(事件発生当時中2) 加害者:原口(剣道部顧問)
加害者・原口は剣道全国大会出場を目標に掲げてスパルタ式指導を行います。女子部員たちをがんじがらめにし、言いなりにしていく手法は、1人1人を個別に控え室に呼んで鍵をかけ、徹底的に自分への忖度と服従を要求し、従わなければ不機嫌になり、指導をやめることをちらつかせるというものです。剣道の指導も過酷を極め、練習で倒れる生徒も続出しますが、大会で成果が出るため誰も止められなくなります。親が不審に思って抗議すると、生徒には口止め。密室個別指導は儀式化し、「三回回ってワンをしろ」「先生を信用して全てを任せられるなら、服を脱げ」「俺の指を咥えろ」「処女をくれるか」「死ねと言われたら死ねるか」と言われ、生徒たちは是非もなく「はい」と言って従うようになりました。被害者の早苗さんは死を意識するようになり、自宅マンションのベランダから飛び降りそうになったり、手首にカッターの刃を当てるまでに心が壊れます。卒業後、早苗さんの母親が気づいて調べ始め、早苗さん、仲間の真由さんと美雪さん、そして早苗さんの母親が原告となって原口と市を相手取り訴訟を起こします。後輩の保護者たちが訴訟を取り下げるよう言ってきたり、原口側に有利な陳述書を出したりしましたが、原告勝訴の判決が確定。
二次被害
[ケースD]被害者:清香さん(事件発生当時高1) 加害者:山下(国語教師、30代)
被害者・清香さんは私立高校の1年生でしたが、夜中に毎日10通ほど、担任教師の山下からメールの着信がありました。内容は全く私的なもので、「清香ちゅわ〜ん♡♡」「きゃーかわいい♡」「俺と清香ちゃんは運命やんな?」「お風呂上がりか〜、俺には清香ちゃんが見える」等というもの。山下はやがて電話もかけてくるようになり、出ないと「わざと出ないのか」とのメール。そのメールを放置すると学校で呼び出されて叱責。その状態が1年続く間、清香さんは下校途中に山下の車に乗せられたり、日曜に図書館にいる時に差し入れをされるなどのつきまといを受け、次年度も担任が交代しないと知った時に母親に転校の意思を伝えます。直談判に行った清香さんの母親は、校長に好意をもたれてしまいます。保護者会には学校側に仕込まれたと思しき複数の保護者が「先生のメールで助かっている」「校長がんばれ」等と相次いで発言。一家は関東に引っ越し、清香さんは転校。その後提訴し、学校側が事実関係を認めたため和解。しかし母親は体調を崩しました。
[ケースE]被害者:中学校ラグビー部女子マネージャー3名 加害者:井口(ラグビー部顧問)
SSHP代表の亀井さんが現役教師だった時に関わった事案。
ラグビー部の女子マネージャー3人が40代の男性顧問・井口から1年にわたり、短パンの上から太ももをなでられたり、服の中に手を入れられたり、下着の色を聞かれたりして耐えられずに、亀井さんの同僚飯田さんのところに相談に訪れました。亀井さんは、親に話すよう3人に助言。親から学校に電話があり、校長・井口・被害生徒3名・それぞれの親たちで話し合いを持ちました。「井口先生は私たちの前から消えて欲しい」と訴える生徒たちに校長は「辞めさせられたら、教師の妻子はどうするのか」との返事。その後生徒と保護者が帰ると、管理職も含めた教師たちが「金目当てじゃないか」と口々に親を非難。校長は対応を放置して冬休み中は連絡を断ち、亀井さんたちは校長に質問状を送付。休み明けの職員会議では亀井さんと飯田さんが激しい吊し上げに遭います。生徒に協力した教師たちは、無言電話、自転車破壊、車のマフラーに砂を詰められるなどの被害に遭い、亀井さんには娘に危害を加えるとの脅迫電話が。校長に「自宅電話を逆探知してもらう」と告げると、脅迫電話はピタリと止みました。亀井さんは職員室内で完全に孤立し、「『亀井先生を殴れ』と顧問に命令された」と告げるラグビー部の選手も登場。やがて教育委員会の調査が入り、加害者の井口は他校に転勤に。転勤先でも同様の問題を起こした井口は、報道されたこともあり退職に追い込まれましたが、懲戒免職とはならず退職金は受けとりました。ちなみに井口は前任校でも問題を起こした過去がありました。
[ケースF]被害者:太陽君(事件発生当時小4) 加害者:公民館に派遣された男性教師
男児の事案。小学生の太陽君は、公民館で友達と遊んでいた時に“親切なおじさん”にボウリング場に連れて行ってもらい、その後みんなでスーパー銭湯の大浴場に行きましたが、その時に“おじさん”に体を触られたことを、1年後に家で突然思い出し、泣き出しました。その“おじさん”とは、公民館の子どもの世話をするために派遣された男性教師で、太陽君の母親が調べると、キャンプで男児の布団に潜り込むなどの行為がいくつも聞かれました。母親は小学校の担任教師に相談し、太陽君も話をしましたが、「あの先生はいい人です、立派な先生ですよ」と庇うばかり。教育委員会も「本人が否定しているから」と幕引きを図り、電話の会話を録音しようとして感づいた教委担当者からは責められ、警察は「証拠がはっきりしない」と動かず。太陽君の母親がSSHPに相談、太陽君は、事実関係が曖昧なまま加害教師が異動したことと、加害者を庇った担任教師に不信感を抱いて登校を渋り始めました。SSHP入江さんが教育長に会い、次年度の担任交代を依頼、教育長が対応を確約したことで太陽君は元気になり、次年度はクラス替えと担任交代。SSHP入江さんが紹介した弁護士により、加害教師から慰謝料支払いを勝ち取りました。
その他
◯娘の進学先に、かつて母親に加害した教師がいるケース。加害者が出世して教頭や校長になっている場合もある。母親が生徒だった時の被害もあり、教育実習先での被害も。母親は、弁護士を通じて校長に退職を迫り、成功。校長が“教育者”として各地で行ってきた公演活動が気になったために、教育委員会に事実を通報。娘は何も知らないまま高校に通っている。何十年も被害を抱え込んでいる人もいるが、時間の経過とともに事実の証明は難しくなる。但し、事実がはっきりすれば、年月に関係なく処分対象にはなり得る。
◯部活の指導者である校長に、校長室や車の中で中3女子が猥褻行為を受け、刑事裁判では不起訴になったが民事裁判では猥褻行為が認められて市が損害賠償を命じられたケース。被害者である女子生徒は様々な嫌がらせを受け、被害者を助けようとしたPTA会長も嫌がらせを受け、PTA会長の子どもまで脅迫を受けたため、会長の子どもは転校。
二次被害を防いで解決するための方策
- 公立校なら、校長が問題を知った時に校内で広げず、直ちに教育委員会に相談する。
- 被害者は周囲に広まることを望まないため、説明会は開かず、校内で知る人を最小限にする。
- 隠蔽はとんでもないことだが、情報管理は徹底させる。
- 校長や教育委員会は事実調査の素人なので、弁護士など専門家の入る調査委員会を作るのがベスト。
学校由来の性被害(スクール・セクシャル・ハラスメント)を防ぐために
教師と児童生徒の間に性被害が起きる背景
- 学校は、教師が加害者になる可能性を児童生徒に教えたがらない。
- 子どもは何がセクハラかわからない。
- 教師は児童生徒に対して絶対的な権力を持っているのに、それに無自覚。
- 子どもは大人に逆らってはいけないと思っているし、逆らえば酷い目に遭うとの恐怖心を持っている。
- 同僚が悪いことをしていると気づきながら、傍観する教師が少なくない。
- 生徒より教師、子どもより大人、女より男が上だと考える差別意識が教師にあるのでは?
- 正しいスポーツ指導の方法を知らない教師が部活指導で生徒の根性に頼りがち。
- そもそも日本の教師は生徒の体に触りすぎる傾向がある。
- 学校という組織は外部の目が入りにくく、自浄能力が低くなり、組織防衛に走りがち。
- 性被害に遭った者は、なかなか訴え出ることができず、加害者は加害行為を継続拡大できる。
- 教師も親も、学校を「特別な場所」と考えている。
- 元々日本はとても暴力(体罰)に寛容な社会である。
対策
以上の背景を踏まえ、対策として、
- 密室で教師と児童生徒が2人きりにならないようにする。
- 学校が教えたがらないなら、親が、「あなたの体はあなたのもの。大切だから、誰にも触られてはいけない。嫌だと言っていい。もしそんなことがあったら、信頼できる人に話して。私があなたの言うことを信用するから」と教える。Noと言えるようにする。
- 大学の教員養成課程や新任研修、管理職研修でスクールセクハラを必ず学ぶ。学校でも定期的に研修する。毎年繰り返してこそ意味がある。
- 教員は、自分が権力的な立場にあることを常に自覚する。
- よく使われる手段は「車、携帯電話(スマホ)、部活動」なので、それらに注意する。携帯電話などでの個人的なやり取りは、ガイドラインを作り禁止すべき。
- 子どもへの人権意識を高める。
- 学校を聖域視しない。
- セクハラの相談を受ける時、中立は加害者側になることを知る。
- 問題が起きたら、正面から解決する。隠蔽は次の事件につながる。
- 教員には、違う立場に置かれた人々と自由に意見交換ができるような環境が必要。
- 事件が起きた時、警察の手が入ると速やかに事態が解決することが多い。
- 調査は疑惑が出た段階で第三者委員会に任せ、校長に任せるべきでない。
著者・池谷孝司氏の考察
- 教師の持つ権力を考え直すことで、日本の教育全体を見直せないか。
- スクールセクハラには、日本の教師と教え子の関係性を示すヒントが凝縮されている。
- 生徒を支配し、思い通りに人格を作り上げようとする教師の意識が子どもの権利を奪い、抑圧している。
- 「先生は絶対に正しい」と信じ切らずに、自分の頭で考える子どもたちが増えて欲しい。
- 日本人の自己肯定感が極端に低いのは、日本の学校教育の在り方が関係しているかもしれない。自殺者の多さにも繋がっているのではないか。
- 子どもたちに、「理不尽な行為には毅然と『ノー』と言っていいと伝えたい。
- 文部科学省に、教師の猥褻事件防止についての検討会議を設置して欲しい。
- 全国の小中高校で、スクールセクハラの被害実態を子どもたちに書いてもらうアンケートを実施して欲しい。(千葉県・神奈川県の教育委員会は既に調査している)
巻末の解説をエッセイスト・タレントの小島慶子さんが、ご自身の経験を交えて書いていますが、小島さんご自身も、身体測定時に担任教師に体を眺められて胸の発達を揶揄された経験について述べています。
かつてはそれが性虐待だという認識も共有されていなかったのでは。’14年刊行の共同通信記者池谷孝司氏著『スクールセクハラ』には多くの事例が載っており私も解説を書いたが、’14年時点ではこの呼称によって教師による性的嫌がらせ・性虐待・性犯罪が問題としてやっと認識された段階だったように思う↓
— 小島慶子 (@account_kkojima) 2019年1月31日
感想
この本の副題は“なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか”となっています。この本を読んで私なりに考えた答えは、
- 大学はまだしも、日本の小中高校では、教師による児童生徒への性加害を防ぐ対策がほとんど取られていないから。
- 日本の小中高校における教育がそもそも権力的に行われていて、児童生徒は教師の言動を批判的に捉える余地がないから、だと考えます。
- また、本書で「何がセクハラかを知らないと訴えようがない」(p.256)とあるように、児童生徒側も教師も、何がセクシャルハラスメントに当たるか、はっきりとはわかっていない、ということもあると思います。
「M教師」の章に描かれた教師・山本はあらゆる意味でだらしなさが感じられる人物で、あたかも生徒の側に誘うような雰囲気を感じた等と身勝手な自己弁護をしていますが(そのような感覚自体が性犯罪者にありがちな傾向です)、「特別権力関係」の章に登場する教師・鈴木は生真面目で、元々小児愛者でもありません。
著者は全く触れていませんが、本書に描写された何人もの教師に共通して感じられるのは、親しい友人の存在が感じられないということです。鈴木に至っては、自分に好意を示した小6少女の存在で孤独を埋め合わせていたのが原因のように見えますし、逮捕・起訴により家族も元同僚たちも離れていったとはいえ、池谷記者から取材がてらに飲みに誘われることに嬉しくなってしまう有様です。
一体、今の教師たちは学校の中にも外にも友人関係を結び、維持することが難しいのでしょうか。もしも彼らに親しい友人がいたのなら、どこかの時点で異変に気付き、「お前、最近おかしいぞ」とか「やめておけよ」と言われたのではないかという気がします。
教師の皆さんは、できれば学校関係ではない所に身を置く友人を持った方が良いのではないかと思います。それができなくても、愚痴を零したり励ましあったりする仲間がいなければ、仕事も行き詰まることがあるのではないでしょうか。もしかしたら教職員組合の組織率低下と無関係ではないのでは、とも想像します。
本書には書かれていない重要事として、日本の子どもたちへの性教育の欠如があります。
小学校に警察官が来て「いかのおすし」を子どもたちに教えたりしていますが、防犯教育は殆どが「知らない人について行かない」といった類のもので、顔見知りから被害を受けそうになった場合、受けた場合を想定していません。
まず幼少期から、「水着で隠す場所は他人に見せない、触らせない」、「もしもパンツの中を触られそうになったら、逃げる、大声を出す、親など信頼できる大人に伝える」といったことを分かりやすく教えていくことが、子どもを性被害から守ることになるはずです。年齢に応じて、性の知識と自分の身を守るための知識、他者をも尊重する態度を教えていくことが必要です。就学前は『いいタッチわるいタッチ』『とにかくさけんでにげるんだ』などのやさしい絵本を園や家庭で、就学後は学校は教師が悪いことをする可能性を児童生徒に教えたがりませんから、家庭が率先して子どもに教えなければならないのが現状です。
子どもたちを性被害から守るための知識を身につける本は、不登校保護者会のブログで具体的に紹介されています。
参考までに、文部科学省が調べた公立学校教職員のわいせつ事案に関する平成29年の統計
わいせつ行為等に係る懲戒処分等の状況(教育職員)|平成29年度公立学校教職員の人事行政状況調査結果について(文部科学省)
わいせつ行為等に係る懲戒処分等の状況一覧(教育職員)|平成29年度公立学校教職員の人事行政状況調査結果について(文部科学省)
以上、約300ページにわたる本の概要と読後感を取り急ぎまとめました。皆様がスクールセクシャルハラスメントについて知る一助となれば幸いです。
より詳しく知りたいとお思いでしたら、本書『スクールセクハラ』(幻冬舎文庫)を是非お読みいただき、さらに著者の池谷孝司記者が助力を仰いだ「スクール・セクシャル・ハラスメント防止全国ネットワーク(SSHP)」の亀井明子さんらが執筆した『スクール・セクシャル・ハラスメント』(八千代出版)を参照いただくことをお勧めします。
最後に、SSHPのリンクを紹介します。大阪では毎週火曜日、東京では毎週土曜日に電話で相談を行っているようです。そのほかに弁護士の紹介や病院への付き添い、スクールセクハラ防止のための研修、教材提供も行っています。
SSHP全国ネットワークとは - NPO法人 SSHP全国ネットワークホームページ
Q&A「スクール・セクシャル・ハラスメント」|10代の人権情報ネットワーク「Be FLAT」
フリースクールで性被害を受けた女性が訴訟に込めた思い
とても残念なことに、フリースクールという、学校から避難してきた子どもの居場所で性被害が起きてしまいました。
学校で居場所を失った子どもが、さらに追い詰められるようなスクールセクハラは、絶対に許されません。
原告女性からのメッセージ
和解後の記者会見で、原告女性は次のように述べました。
このような辛く絶望に満ちた人生を背負わされる人を、もう一人も出してほしくないという思いでご報告をしています。
性的虐待の後遺症によって人生を壊された
私はこの性的虐待によって人生を壊されました。
その結果私の人生に生まれたのは、世界は安全ではないという絶望、信頼できるはずの人から最悪の虐待を受けたことで深く刻み込まれた人間不信、時間・場所など関係なく起きる被害当時のフラッシュバック、突然動かなくなる身体、性的暴行という耐えがたい経験を乗り切るために“辛い気持ち”を自分から切り離したことでバラバラになってしまった人格、何をしても遠い世界の出来事のようで現実味を感じられないなどの後遺症です。
虐待そのものの傷と二次被害による傷で、自分は生きている価値などない人間で、早く死んでしまわなければならないという強い思いを常に感じるようになりました。今日一日自殺しないで終えることを目標に過ごさなければならないような毎日を過ごしています。
加害者側を持ち上げるメディアに耐えられない
原告の女性は、裁判中も加害者側のフリースクールやその関連法人などがメディアに出てくる度にパニックを起こし、激しいフラッシュバックや、「解離」という症状で自分の意思では身体が動かせなくなったり、自殺したい強い衝動にまで襲われていたそうです。
裁判が終わった後もこのようにメディアで見かけるんだろうと思ったり、その度に症状が悪化していくことを思うと、この先どうやって生きていけばいいのか…と恐怖や絶望感に飲み込まれてしまいそうです。
苦しみを理解してもらえた実感はない
この4年半という長い期間法的に争ってきた中で、私が当初伝えたかった、被害当時に感じていた苦しみや、被害後も一生続く後遺症の苦しみ、一人の人間の人生を壊したのだという重みを理解してもらえた実感は正直ありません。加害者側だけでなく、裁判所としても、被害の実態や後遺症の重みを理解していただくのはまだまだ難しい時代なのだなと痛感しました。
裁判をしたことにより受けた新たな心の傷も多々あり、その度に死んでしまわないよう心の応急処置に追われる日々でした。
加害者側からしたら裁判で終わりかもしれませんが、治療法が確立されていない後遺症を負わされた私にとって裁判はただの通過点でしかありません。
それでも訴えを起こした自分は「無力ではない」
それでも法的に訴えを起こし、自分にできる限りの事をし尽くして闘った経験は「自分は無力ではない」という記憶も残してくれました。
また、裁判をしたことで多くの方からあらゆる方法でご支援をいただきました。
子どもの頃から「この被害について私の味方になってくれる人など誰も居ない」と感じ、一人で抱えてきた私にとって、一緒に闘って下さる方々の存在を感じられた経験は裁判の結果に勝る宝物になりました。
性的虐待を受けても法的に争うことさえ難しい時代に、このような貴重な癒しの経験をさせて下さった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
教育現場やマスコミは「なかったこと」にしてないか?
私たちは10月11日に行われたフラワーデモ東京で、次のようにスピーチさせて頂きました。
事件があったフリースクールからも、加盟するフリースクール全国ネットからも、監督責任があるにも関わらず、事件後も裁判後も以前と変わらず具体的対策を示さないままです。
こうして保護者や子どもの不信感を置き去りにしたまま、性加害事件を起こした民間フリースクールが、自治体と協働で子どもの居場所を設けたり、文科省の専門家会議の委員に任命されたり、NHKや新聞各紙・SNSなどでフリースクール促進キャンペーンが繰り広げられている現実があります。
スクールセクハラという教育現場の性被害は、圧倒的な力の差を背景にした搾取であり、性差別であり、子どもの人権の蹂躙です。
絶対にあってはならないことです。
不登校の子どもと保護者は、このような状態では安心して子どもの居場所を利用することもできません。不祥事が続く学校にも戻れません。だからこそ教育現場では、関係者が性被害を受けない、誰もが加害者にならない仕組みが必要です。
子どもの居場所づくりは、民間のフリースクール事業者が、地域や自治体、学校に参入する形で急拡大しており、スクールハラスメントを防止する人材育成や支援の質をどう確保するのか、早急に対策を講ずるべきです。
私たちの要望は、不登校、不登校傾向の子どもたちだけでなく、教育現場にいるすべての子どもの人権に関わる重要な問題です。
子どもの人権が学校で守られていないことが
スクールセクハラや不登校増加の原因です。
子どもの人権を大切にする社会に変えていきましょう。
さらに、私たちは原告女性が提言された「子どもと親への推薦図書」を、会員有志とともにネット上で読書会を開催して読み合わせ、下記のとおり書評と感想を公開しています。
当該フリースクールは、各自治体から委託を受けて「親の会」を開き、行政や議員から不登校児の保護者代表のように扱われているばかりか、文部科学省の専門家会議など国の政策決定にまで多大な影響を与えています。
私たちは、不登校の子が逃げた先で起きた「スクールセクハラ」を決して黙殺せず、加害側の教育関係者・支援者やメディアによる二次被害にも抗議し、実効性のある具体的な再発防止策を訴えていきます。
なお、原告女性による推薦図書のリストはNHK「クローズアップ現代+」のサイトでも紹介されました。
【性暴力を考える vol.39】子どもが性被害に遭ったとき 私は・・・ 2人の親の思い - みんなでプラス - NHK クローズアップ現代+
※番組の取材に応じた親子は裁判の原告女性ではありません。
不登校の女の子が性被害に遭ってから立ち上がるのを助けてくれた絵本たち(後編)
フリースクール性被害裁判の原告女性の推薦図書を紹介します。
「動画編」「前編」に続き、不登校保護者会では、先日のフラワーデモに参加した有志と事務局の保護者たちで分担して、実際に読んでみました。それぞれの図書の紹介には、私たちの感想も添えています。
不登校の女の子が性被害に遭ってから立ち上がるまでに助けになった本のなかから、今回は後編です。
追記(12月6日)
NHK「クローズアップ現代+」のWEBサイトにて、こちらに掲載している「原告女性による推薦図書リスト」が紹介されました。
【性暴力を考える vol.39】子どもが性被害に遭ったとき 私は・・・ 2人の親の思い - みんなでプラス - NHK クローズアップ現代+
※番組の取材に応じた親子は裁判の原告女性ではありません。
目次
- 5. 『わたしのからだよ!―いやなふれあいだいきらい』
- 6. 『男の子を性被害から守る本』
- 7. 『小さな女の子・男の子のためのガイド(性虐待を生きる力に変えて)』
- 8. 『10代の少女のためのガイド(性虐待を生きる力に変えて)』
5. 『わたしのからだよ!―いやなふれあいだいきらい』
※ながらく絶版だったためAmazonではプレミアが付いて高額になっていますが、最近「NPO法人 女性と子どものエンパワメント関西」によって復刊されたので、こちらから購入できます。
30ページの薄いブックレット。
子どもが、望まないシチュエーションで嫌な触られ方をしたとき、
「さわらないで! そんなこと きらい!」
と反射的に言える子になるように、
毅然とした独立心を養うのが本書の目的なのでしょう。
「教え込む」という著者たちの強い意志が反映されている絵本です。
中身は、モノクロのスケッチと、ひらがなの易しい文章という極めてシンプルな構成。
大人向けの解説もあります。幼稚園や小学校で全員に配布した方がいいと思いました。
メディアによる紹介記事
6. 『男の子を性被害から守る本』
前半は子供への説明。
いいタッチ悪いタッチ。
(愛されていると感じるか、そうでないか)
「メグさんの 男の子の体 Q&A」と同じ三輪妙子さんによる翻訳。原題「it happens to BOYS too...」のとおり、あまり語られることも知られることも少ない男の子への性的虐待について書かれた本です。
ページ数は多くないですがギュッと詰まった内容で、男の子ならではの事情にも触れながら子供向け・親向けの解説が書かれています。子供向けのページは全て振り仮名付きで子供は自分でも読めるよう配慮がされています。
子供向け(振り仮名付きの部分)
・いいタッチとわるいタッチの違い
・性的虐待とは何か
・男の子への性的虐待のウソホント
・君は悪くない
・加害者が君をだます手口
・君にできること
・大人が思う、子供への性的虐待のウソホント
・どうして性的虐待をする大人がいるのか
・被害者の体験談(大人になってからの回想)
親向け(振り仮名なし)
・子供の被害に気付いたときの親の心情
・注意すべき子供の変化
・子供を救うためにできること
・あとがきと解説
嫌な触られ方をしたときに「いやだ!」と言えなくても君が悪いわけではないよ。とまず子供が抱く恐怖心や不安の心に寄り添ってから、後の項で「いやだ!」と拒否することが君にできることだよと続く書き方は安心感と勇気をくれそうです。
振り仮名付きのページは子供一人でも読めそうですが、性的被害にまだあっていない場合だと被害者の体験談などは子供にはショックが大きいかもしれません。大人と一緒に少しずつ読んでいくもの良いと思います。
最後の田上時子さんによる解説には、日本社会ならではのジェンダーの問題、男性が声を挙げにくい問題点も書かれています。
「防止」が大切だが子供に無力感を教える内容(不審者には気を付けなさい!)では不十分。「防止」には子供ができる具体的な方法や正しい知識が重要。子供たちの力を私たち大人は肯定し信じること。と締めくくられています。
性被害についての本なので、同意については記述はありません。
■きみが悪いわけではない…
たとえ…君がすぐに「やめて」と言わなくても
たとえ…さわられたときに、気持ちよく感じたとしても
たとえ…誰かに話したのに、しんじてもらえなくても
たとえ…あなたがその人のことをすきでも
君のからだは、君だけの大切なもの。だから、
自分が、いつ、ふれられたいかは、
君自身が決めていい。
男の子やおとなの男性もたくさん、今まで性的虐待を受けてきた。
君が性的に虐待されたことは、だれも君の顔を見ただけではわからない。だから、ちゃんとそのことをだれかに話して、助けを求めることが大事なんだ。
「気を付けなさい!」は子供に無力感を感じさせる言い方
「防止」に力を入れましょう。そしてその防止策は従来の「不審者に気をつけなさい!」「知らない人についていかないように!」というような、子どもが無力感を感じるようなものでは十分ではありません。暴力とは力の落差が乱用されることをいうのですから、子どもに無力感を教えるような防止策は有効ではありません。
- 「親がどう話を聞いたらいいか」は難しい問題ですよね。そもそも子どもが話してみようと思える親になってなきゃ、話してくれないだろうし。
- 男の子や男性のサバイバーが沈黙を破りにくい理由を読んで、男性の先輩が「電車の中で後ろから女性に腰を押し付けられて怖かった」とみんなに話したときに「ラッキーだったね!」と流され、先輩も「確かに!」とノリで返していたことを思い出しました。本に書いてあるとおりのことが起きていました。
- 「やめてと言えなくても自分を責める必要はない」とあるのはホッとします。
7. 『小さな女の子・男の子のためのガイド(性虐待を生きる力に変えて)』
小さな女の子・男の子のためのガイド (性虐待を生きる力に変えて) | カーリル
このシリーズは絵本ではなく活字の本。
構成は
- 大人の方へ
- 女の子へのガイド
- 男の子へのガイド
- 再び、大人の方へ
となっています。
最後には具体的に相談機関も記されています。
はじめの「大人の方へ」のところで
性虐待を受けたことのある女の子・男の子(概ね12歳以下)のために書かれたものです。9歳以上のお子さんは、子ども自身でこの本を読むことができるかもしれませんが、一部の言葉遣いや考え方については大人の手助けが必要になるかもしれません。もっと年下のお子さんには、大人の助けが必要。
性虐待から恢復するためには、子どもたちには大人の助けが必要であり、あなたが一緒に読んであげることは、大きな援助になるでしょう。
と、まず、大人へのメッセージから入っています。
この本を読む子どもたちへと最初にあり
「わたしたちの本を開いてくれて、どうもありがとう」
と、はじまるところにも、ほっとしました。
内容は事例が具体的に書かれています。
子ども達に3つのことで役に立つと伝えています。
- 「性ぎゃくたい」がどんなものであるかを教えてくれる。
- あなたの感じていることを、あなた自身がよく理解できるようてつだってくれる。
- どのように助けをもとめたらよいかを教えてくれる。
個人的には、本の紹介や性虐待もですが、様々な傷つきで、心が支配された時の混乱を説明する図解が、とてもよく、整理できました。
- 虐待を受けたときの心の中の図は胸が痛みます。体罰やハラスメントを受けた時にも起こるかもしれませんね。つまりは人権が侵害されたとき。
8. 『10代の少女のためのガイド(性虐待を生きる力に変えて)』
10代の少女のためのガイド (性虐待を生きる力に変えて) | カーリル
性被害を受けている少女・子どものころ性虐待を受けた少女へ向けの、文字通りガイドブックです。上の『小さな女の子・男の子のためのガイド』が幼稚園~小学生を対象にしているのに対して、本書は中学生・高校生、大学生の女子向けに書かれています。20代の女性にも 役立つでしょう。
心理学的なアプローチのほか
人権問題にも触れていて
自身の怒りや悲しみの対処の仕方から
加害者を社会的に追い詰める方法まで
かなり詳しくかかれています。
内容の一部を紹介すると
- 性虐待ってどういうこと?
- どんな人が性虐待をするの?
- 性虐待を受けたとき、どんな気持ちになるの?
- 成長するにつれて出てくる気持ちは?
- なぜ性虐待を受けたことを話す必要があるの?
- 話したくないと思ってしまうのはどうして?
- 誰に話したらいいの?話したらどうなるの?
- あなたと彼との関係は?──チェックリスト
- セクシュアルハラスメント
- 性感染症とは?妊娠したら
など、辞書代わりにに使えるほど充実した内容です。女子のいる家庭では必ず本棚においておきたい一冊です。
「性虐待を受けた10代の少女の身近にいる人へ」「性被害を受けた少女の身近にいて、少女から性被害を受けたと知らされた人へ」など、親として知りたいことも載ってます。
導入部はとても優しいトーンで始まります。心が傷ついた状態でも安心して読み進められそうです。
子どもの権利条約もしっかり取り上げられて、その上で刑法その他の解説と、泣き寝入りしないために関連法規の条文、全国の相談先リストなど、とにかく詳しいです。知識だけでなく、具体的な行動を起こすまで導いてくれます。
「なにが性加害か」という、発達凸凹の子が認識しづらい事例など、事前に知っておくべき知識が満載です。
引用や参考文献もしっかりしています。
各都道府県の条例や法的なサポートも。
警察やワンストップセンターの一覧もあります。
あなたの権利と、あなたを守る法律は、
小中高校・大学生が知らなければなりません。
- この第3巻は、都の相談員が執筆しています。現場の人ですね。
- 最初に「何が性虐待にあたるのか」を定義しているのも大事です。性被害対策や子どもの権利の擁護は、まずこの認識を子ども自身と社会で共有するところから始まるのでしょう。
- こどもを守るための法律を丁寧にまとめているので、一家に一冊配布してほしいくらいです。
この「ガイドシリーズ」は、様々な年代・性別の子どもたち向け、また親御さん向けなどがあります。とても分かりやすくて正確な情報が書かれてありますので大変おすすめです。
Amazon.co.jp: ガイド (性虐待を生きる力に変えて)
- このシリーズ、ボリューム満点ですよね。最初から通読しようとせず、目次を見て必要そうなところから拾い読みするとか、パラパラと眺めてみるだけでもよさそう。
- 導入分にはホッとさせる工夫が随所に見られるのが良いと思います。
不登校保護者会 茶話会のお知らせ
不登校の悩みを話す茶話会を開催します。
日時:2019年12月6日(金)午後1時から3時
場所:東京都内京王井の頭線沿線
会費:200円当日現金払い
対象:不登校や不登校傾向の小中学生の保護者
申し込み方法:
①お名前
②お子さんの学年または年齢
③メールアドレス
④ご要望その他
上記を明記の上
cocorokotoba@gmail.com
もしくは、TwitterDMへ
メール📩下さい。
詳しい場所をお知らせします。
不登校保護者会事務局メンバーも一部参加します。
よろしくお願いします。
☆お願い☆
茶話会で知り合った方に対するビジネス、宗教、スピリチュアル、薬剤、サプリメント、習い事、療育、政治活動などへの勧誘は一切お断りしております。
純粋に不登校の悩みについて話す茶話会です。